「なんであんたは人のものを勝手に動かすんだ!」認知症の初期症状
相談者
初めて相談させていただきます。現在結婚20年目の嫁です。家族構成は、私、夫(48歳)、娘(高校3年)、義理母(73歳)
私が嫁いでしばらくしてから義理母が、「家の中のものが度々移動して困る。」と言うようになりました。 なんのことだろう?と首をかしげて、探し物だったら一緒に探してあげたりして(結局みつからない)たのですが、ある日夫が不在の時「なんであんたは人のものを勝手に動かすんだ!この前、ココに無いから探していたら、ある日急に元の場所に戻っていた」と言われてびっくりしました。
もちろん私は義理母の物は触っていませんので、「私は何も触ってないよ」と言ったのですがまるで信じてもらえませんでした。 このときは夫には相談しませんでした。
その後、しばらくは数ヶ月ごとに同じようなことの繰り返しが起きるようになり、そのたび私は疑われることに身を削られる思いをしてきました。 無くなったり移動したと言われるものは、日用品のささいな物で、日用品だったり、お気に入りのスカーフだったりこまごました物です。
何年もそんな状態が続いたある日、たまりかねて夫に相談しました。夫はそれほど深刻には考えなかったようで、「おふくろの勘違いだろ」の一言で終わってしまいました。
私は仕方なく我慢して、あまり思いつめないようにしていたのですが、ある日、私が不在で夫が在宅の時に、義理母が「やられた!財布が無い!」と大騒ぎしたそうです。「やられた」というのはもちろん私に盗まれたという意味です。
このときは、夫と義理母が一緒に買い物に行ったらしく(そのとき財布はあった)、帰宅して昼寝をし、起きたら財布が無いと騒いだので、夫が探したら、ちゃんと義理母のかばんにあったそうです。 これがきっかけで、夫も義理母が何かおかしい、と思ったようで、夫がしばらく外出は避けなるべく義理母と一緒にいてくれるようになりました。
その後も「あれが無い、これが無い」は続き、現在にいたります。 最初は私をいじめて楽しんでいるのかと思ったこともありましたが、どうも本当になくなって困ってるだけのように見えます。
認知症だと思うのですが、本人がガンとして「私はボケてない」の一点張りで病院に連れて行けず、困っています。
さらに困ったことに、義理母は信心深く、迷信や幽霊、死後の世界や霊能者を信じているのです。先日も、
「ご先祖様はちゃんと見てる。私を困らせたおまえには、かならず罰が当たる」
「霊能者に占ってもらったら、おまえは小さい頃から人の物を移動させていたから直らないと言われた」
「死んだお父さん(義理父)が枕元に立って、全部教えてくれた」
などなど、全ての犯人は私だと思い込んでいるのです。
あまりに精神的に辛い日々が続いたため私が体調を崩し、入院したことも何度かあります。 今後、どのようにするのが一番良いのでしょうか。
回答1
認知症の初期症状です。 本人をだましてでも物忘れ外来を受診させてください。 多分素直には行かないので、持病の先生がいたらたのんで専門外来に回してもらうのがいいでしょう。本人に詳しい事情を説明する必要はありません。
そして多分、初期用の進行阻止用の薬を処方されるので、毎日かかさず、がんばって飲ませて下さい。 まずは、これら最低限の基本的行動だけは取りかかって下さい。
重要なのは、これが最大の難関作業ですが、自分が失念してる自分に落ち度があるという具体的証拠を、落とさずひろっておき、本人に毎回見せて、自分の能力の落ちていることを自覚させるます。2年位はかかります。
大方は人はこの作業が大変で、できなくなって根を上げて、自分が痴呆老人よりひどい精神病になります。 ただ本人の自覚なしに戦えないのが認知症です。
何度か繰り返すと、本人の能力もおちてきて混乱エピソードが増えるという事情もあるんですが、本当に自分の方がおかしいのだということにだんだん気がつきます。ここまでできたらしめたもので不思議なもので、自覚によって、逆にちょっと気をつけなきゃという最低限の発想があらわれ、生活能力が多少あがります。
3年ぐらいかかります。本人のポテンシャリティもありますが上手くやってる人は、記憶が相当わるいだけの、生活状況は普通の高齢者という感じで混乱なく生活できるようになります。 うちの親がそうです。がんばってください。
相談者
本人のだましてでもですか。物忘れ外来探してみます。 具体的証拠が、いままでも無く本人の「あれが無い」だけなので、納得させるのは大変そうですが、頑張ってみます。 長い戦いになるのですね。
回答2
いや、この孤軍奮闘を開始すると、2-3年なんてあっという間です。 ここ時期さえ乗り切れば、3年後以降~本人死ぬまでの間は楽です。
今のこの時期(病院を嫌がる、自分のボケが受け入れられない)こそ認知症初期で、まだまだこっちの世界に引き戻せる絶好のタイミングです。 よかったですね。今気がついて。
むしろ病院を嫌がらないほどの状態になってしまっては、認知が進行しすぎて、もう手の出しようがないというもの。 そこから何をやっても無駄。最後には発語まで阻害されてしまい、精神薄弱と同類項になります。 (記憶障害がひどく障害されてるのと、人として知能が損ねられるのは全く別物)
今を逃すと、混乱がどんどんひどくなり、人によっては家族のみならず社会的に迷惑をかけるに至り(言う事聞かないで車運転して高速逆走して対面ドライバを殺すなど) 本人死ぬまで見えない混濁の時間が永遠につづく訳です。
3年だけのトライアルですむのは、むしろあっけないほど短い位です。
相談者
遅くなりましたがありがとうございます。 なんとか騙してでも診察に連れていきます。
ご紹介します!認知症で悩んでいるあなたへ!
はっきり言って認知症の介護は非常に大変です。育ててもらった母親・父親、愛する配偶者が認知症で違う人に変わってしまい、暴力や暴言は当たりまえで、ひどければ排泄物を投げつけてくるなどの行為もあり、介護者が精神的に参ってしまいます。
認知症患者本人も、正常に戻る瞬間は、とてもつらいものがあります。
でも、認知症は現代の医学では治らない…とあきらめていませんか?
認知症の改善をあきらめないでください。まだ手はあります。 その方法を知っておいて損はないです。
書籍で学ぶ認知症
認知症の本ってけっこうあります。何でも安くそろう安心のアマゾンで扱っている、おすすめの認知症の書籍を紹介しておきます。